「陸と橋本――『本当に大丈夫だから! なんともないから! もうすぐ先生来るから席に着こ!!』
堀内くんの言葉を遮り、『ホラホラ!』とサナと陸くんの腕をポンポンと叩く。 サナと陸くんは明るさを取り戻し、自分の席へと戻って行った。
……明るさを取り戻してないのは、
「………別れてねぇの??」
私に冷たい視線を送り続ける堀内くんだけだった。
怖い。 堀内くんの視線が痛い……
言葉も喉から出てこないほど、緊迫した空気に包まれている。だから言葉が出ない代わりにゆっくり頷いた。
「……………どうすんだよ」
「……………分からない」
どうしたら良いかなんて分からない。
分からないから『分からない』と答えたのに『じゃあそうやって都合のイイ女に成り下がれば?』と、遠慮ない言葉を吐かれ、グッと唇を噛み締める。
…………根はイイ人だと思ってたのに。