”余計な事は言わないで!”


 私の思いが通じたのか、

「………まあイイけど。 でも不良達に絡まれてた事は言わなきゃだろ」



 サナと陸くんが一緒にいた事は言わないでいてくれる代わりに、”不良に連れ去られそうになった事は言え”と目で訴えられた。


 もう『堀内くんには関係ない』なんて言える状況でもなく、


「実は……」


と、昨日不良に絡まれた事と、堀内くんが助けてくれた事を陸くんに話した。


「………ゴメン、俺がちゃんと送って行けばそんな事にならなかったのに」


 申し訳なさそうに謝る陸くん。


「次のデートの時はちゃんと送りなよ?」


 横から余計な一言でしかない言葉を発するサナに、分かってると頷いている。


 ………やばい。 どうしよう。


 このやり取りを見ていた堀内くんは当然、


「………は?」


”デートって何言ってんの?”と言いたげな声を出し、私を睨む堀内くんに気まずくて視線をそらす。