一瞬泣きそうな顔をして、笑った。

神様はそんなに意地悪じゃない。

安藤に与えて、奪った。安藤はずっと探していて、私はそんな安藤に出会えた。

「もしかしたら、大きすぎて、目の前にあるのに気付かないだけかもしれない」

「あ、その可能性は考えてなかった」

いやー流石頭良いだけあるね、安藤。と続けると、肩を抱き寄せられた。

また泣いてしまうかな、と思って黙る。

「良い男だからな」

と笑っていたので、安心した。

本当、よく笑う男だ。