遅いなー...秀。

あれから、かれこれ、一時間経った。

あー、暇。もう謝恩会行く時間になるよ?

時間大丈夫なのかな?

ガラガラ

「お、おまたせー。」

息を切らし、ボロボロになり、秀は、やってきた。

「うんん。ぜんぜん待ってないよ。で?用事は、なんだった?」

「....桜那......言いたいことがあるんだけど、いい?」

「いいけど。なに?改まって、」

「この前さぁ、僕に、俺に、好きなやつ聞いたじゃん?あれ、今言おうと思って。」

「?いいけど。」

あっまた胸がチクチクする。

「誰かに行った方が、楽になる気がするから、いい?」

「だからいいってば。」

ズクズク、チクチク、ジンジン、ズキズキ

いろんな、痛みが混じり合う。

その中で、ひとつだけ、

ドキンドキンと、なっていた。

「俺の好きな人は、」

ブワァ..

カーテンが、風をはらんで膨らむ

花のいい匂いがする

あー、ドキドキする。

「好きな人は....お前なんだよ!!桜那!」

ブワァ

また、風が吹いた。

カーテンがなびく。

信じられない。

あの、秀が、顔を赤らめて、息詰まっている。

それが信じられないくらい、可愛く、かっこいいと思い、やはり、愛おしいと思った。

「ずっと、前から...幼稚園の頃から、お前ばっかり考えてきた。最近は、アピールばっかりした。この間だって、」

待って、幼稚園の頃から?

「振り向きざまにキスしたり、」

やっぱり思いすごしじゃなかった

「さりげなく、二人の空間作って、プロポーズしてみたり、」

プロポーズって、とちりすぎ、

「なのに、お前が気づかないから、寂しくて...ゥゥ」

泣いてる..あぁやっぱり、たまらなく愛おしい。

「ごめん。鈍感だから、気づかなくて..いや、気づいてたけど、知らないふりしてた。ごめん。」

と言って、秀の涙を拭いた。

「だから、私にも言わせて?」

固まって、こっちを見る、秀

「好きだよ。秀。愛おしいくらい。」

固まっている。

「でもねぇ、私には、伝える勇気がなくて...あれ..なんで..私泣いてんの?止まらない..」

次の瞬間、私は、溜めていたものを出すように、泣き出した。

秀は、静かに抱きしめてくれた。

その腕が、暖かくて、心地よくて、落ち着く

泣き終わったあとに、改めて、

「私には、伝える勇気がなくて、このまま、墓までコースだと思ったから..秀が、言ってくれて、とっても、とっても、嬉しい。ありがとう。...私と付き合ってください。」

あ...まだ緊張してる。

胸の鼓動が鳴り止まない。

ドキドキドキドキ

「プハァ!これじゃあ、桜那が、告白したみたいだな。」

ほ、ホントだ!

「俺からも言わせて?好きです。俺と、付き合ってください。」

あぁ..やっぱり、秀が好きだ。

「はい。こちらこそよろしく」

はつ恋がかなった。

嬉しい。

「ねぇ、桜那。もう一個いい?告白の言葉。」

「...いいよ。」

なんだろう?

「桜那...「 」

「........もちろんいいに決まってる。それでよろしくね。」

嬉しい、嬉しい、嬉しい!