家に着くと、私は急いで自分の部屋に向かった。

まだ、頭がズキズキして痛かった。

「さっきのは記憶は一体……?」

コンコン

部屋の叩く音がしたので私は、開けるとそこには仁人が立っていた。

「どうしたの?」

「姫香、何立ってんだよ!具合悪いんだったら、寝てろ!!」

そう言い、仁人は私をベットに無理やり連れてかれた。

「さっきの事なら、大丈夫だって……!」

「いいから、横になってろ!!!」

その強い口調にびっくりした私は、体が一瞬震えた。

「あっ…、ごめん…。つい、大きな声で怒鳴っちまって……。」

「…大丈夫だよ。……。ねぇ…少し聞いていいかな?」

「なんだ?」

私は、聞くのが怖かった。

でも、知らないままでいたくなく、勇気を振り絞り問いかけた。

「小さい頃、私と仁人に一体何が起こったの……?」

「!?」

仁人は一瞬びっくりしていたが私は顔をそらさず真っすぐ仁人だけを見た。

「……。そんな顔されたら、言わないといけないな……。でも、そんな面白い話じゃないぞ?」

「!?……大丈夫。私、知らなくちゃいけないから…。だから、話して。」

そう言い、仁人はゆっくりと昔の私たちの思い出を語ってくれた。

それは、私が想像していたことと全然違く、とても悲しい過去だった。

これは、私が忘れていたもう一つの思い出。