「えー…。まずは、みなさん自己紹介をしてください！」

先生は、そう言い前の方から順番に自己紹介がスタートした。

私の席は後ろの方なので、中々自分の番にはならない。

うぅ……。

緊張してきた。

私は、手のひらを広げ仁人が書いてくれた文字を必死に読み続けた。

大丈夫……！！

仁人が、背中を押してくれたんだから精一杯頑張らなきゃ！！

「次、北条姫香さん。」

「はい！北条姫香です。東京から来ました。」

「え！？東京！？」

辺りは、一瞬ざわついたのでびっくりしたけど私は一生懸命自己紹介を続けた。

「私は、新しい街でこれから沢山の事を知っていっぱい友達を作ろうと思っていますのでよろしくお

願いします！」

パチパチパチパチ

拍手が教室に響き渡る中私は、言いたいことを全部言ったら頭が真っ白になった。

「はい。じゃあ、次はー……。」

なんとか終わった……。

私は、着席をした後私の背中をトントンと誰かが叩いてきた。

ふりかえると、そこにはショートヘアの女の子が座っていた。

「名前姫香ちゃんっていうの？」

「うん。そうだよ。」

「可愛い名前だね！これからよろしくね！姫香ちゃん！」

「うん！こ…こちらこそよろしく！えっと……名前は？」

「あぁ！！あたしの名前は……！」

「おーい！！！北川！お前の番だぞ！！」

そう言い、先生は会話をさえぎるように注意した。

「はーい！！えっと、北川彩(きたがわあや)です！運動が得意で、友達いつでもウェルカムなのでよ

ろしくお願いします！！」

そう言い、着席をした後私は小声で言った。

「よろしくね、彩ちゃん！」

「もちろん！！姫香ちゃん！！！」

「おい！！！さっきから北川うるさいぞ！！」

そう言い、先生はまた注意し辺りは少し笑いが溢れた。

初めて声をかけてくれた……。

私は、嬉しい気持ちを通りこし、言葉じゃ表せられないくらい幸せな気持ちでいっぱいだった。