「お嬢様、
自分を悲観するのはお止めください。

今のあなたが、私と契約をしたときの
お嬢様とは思えません。

全くもって、醜いです。」



厳しく、冷たい声色で彼はそう言い、
その一言で、私は我に還った。

いつからこいつに弱音を
吐くようになったのだろうか。


私はあの日、自分で答えを導いたはずだ。


オリヴァー・フォスターの娘でも、
エミリー・フォスターの娘でも
ないのだと。



私は私なのだと。



お父様に、お母様になろうなんて
思わない。

弱くても臆病でも、例え私が哀れでひ弱な
雌猫でも、



「シリウス、お前の役目は、私を守る事だ。
一々疑問など抱かなくていい。」



優秀な悪魔が、私を守ればいいのだから。



ーーフッ


「I got it,mine lady.

それでこそ、わたくしのお嬢様です。」