「あさちゃんの話を聞いて、やっと分かった。たぶん二人は、ものすごいすれ違い方をしてるんじゃないかな?」



ものすごい、すれ違い方……。



「えっと、瑞季くんは私のこと嫌いで……」

「まだ本気でそんなこと言ってんの?」



以前と同じように呆れた顔でそう言われた。



「好きじゃなかったら、こんなとこまで追っかけて来ないと思うけど?」

「えっ?」

「続きは、そこに隠れてる人に聞いてみれば?」



依吹くんの口角がにやりと上がる。

意味がわからず、視線をたどった先。


2階へ続く階段を上りきった場所。



こちらを見下ろしていた瑞季くんと

視線がぶつかった。