「勝手なことを申して、すみませんでした」



ようやく頭をあげた生駒さんは、廊下においていた荷物を持って



「依吹様をお迎えに行って参ります」


深く会釈したあと、静かに去っていた。




残された私はどうすることもできず

その場に立ち尽くしていた──。