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家に戻ったあたしは自室でフェイスを取り、ベッドにうつ伏せになっていた。


カナト先輩にナンパされた。


その事実が何度も頭の中で再生され、その度に体温は上昇していた。


カナト先輩がナンパをするような人だったなんてショックだけれど、それ以上に嬉しかった。


今まですれ違っても空気同然だったあたしが、声をかけられたのだから。


「可愛いってすごいじゃん」


思わずそう呟く。


人は見た目じゃないなんて言う人もいるけれど、顔を変えただけで奇跡のようなことが起こったんだ。