店を出る瞬間自分の服装を見おろして見る。


中学時代から着ているTシャツにジーンズ姿だ。


バイトをしていたものの、ほとんど貯金に回していたから服なんて買っていない。


時々お母さんが選んで買ってきてくれる服以外、最近は着ていないかもしれない。


途端に恥ずかしくなって、早足になった。


いつもの店員さんはあたしのことと可愛いと言ってくれた。


けれど、こんなダサイ服じゃ顔が可愛くても意味がない。


嬉しくて何も考えずに家を出てきてしまった事を今更ながら後悔した。


道行く人があたしを見ていたのは顔が可愛いからじゃない。


服がダサイからだったのかもしれない。


大慌てて家に走って戻り、自室へと閉じこもった。