「おはよ、市川」


――翌朝、家を出たら玄関前に芝田がいた。


「なっ……なんでいるの?」

「おはようが言いたくて」


だからって来るか!?


「学校行けば会えるのに……」

「カレシがお迎えに参りました」


カ……

カッ……


――カレシ……。


【俺 と 恋 愛 し よ】


そう、だよね。

恋愛するってことは。


芝田が、カレシで。

わたしが、カノジョ、なんだ。


よく知る顔をマジマジと見つめてみる。


ずっと“同級生”だった芝田が

わたしの、“恋人”になった。


……こんなことに、なるなんて。

ちょっと前のわたしからしたら考えられないわけで。


この先のことなんて、もっとわからないよ。