中を見て、内容を読む。
【昼休み、あなたにお話があります。
大事なお話なので、1人できてほしいです。
場所は体育館の裏、時間は昼休み。
暑いですが、人目がつかない場所なのでそこでお願いします。
私も1人でくるので、どうか付き添いはなしで真剣に話を聞いてくれると嬉しいです。】
大事な、話?
差出人の名前は書いてなくて、誰からの手紙かはわからない。
でも、そんなに大事な話なら凛にも言わずに行こう。
そう決めた時、突然ひょいっとその手紙を取られる。
「………!?」
横を見ると、そこに大輝くんが立っていた。
「だ、大輝くん……!?」
「………。」
それは読んだらダメ、って言おうとしたけど、大輝くんの表情が怖くて何も言えない。
読み終わった後、大輝くんは私に手紙を返した。
その後に大輝くんは、私と予想してたのとは全く逆の言葉を口にした。
「………昼休み、忘れずに手紙の指定場所に行けよ。」
「うん、わかった………って、え?いいの……?」
ダメと言われると思っていたから驚く私。
「だって手紙に大事な話って書いてあるだろ?だったら行ってやれよ。」
そう言う彼の表情はさっきと違って優しいものに変わっていた。
「そうだよね。でも、大事な話って何だろう……?」
「それは行ってみないとわからないな。」
そして大輝くんはまた、自分の席へと戻って行った……。