「良真?」


風花が不思議そうな顔をして名前を呼ぶ。


「か……課題、終わった? 俺ちょっと残っててさ、見せてくれない?」


「はぁ? またなの?」


風花が一瞬にして呆れた顔になる。


俺は風花の前でパンッと両手を合わせた。


「頼む! このとーり!!」


「全くもう、良真はいつもこうなんだから」


文句を言いながらも風花は課題を取り出す。


「ありがとう! 一生の恩だ!」


「良真のその言葉はもう聞きあきた」


そう言う風花にヘヘッと笑って見せて俺は課題を受け取った。


これで、いい。


今はこの関係を崩したくない。


そう思ったのだった。