ソレは少女の真後ろに迫ってきていた。


少女はその気配に気がつき、体を震わせる。


ピンと張りつめた空気の中、少女はゆっくりと体を反転させた。


ブンッ!


と、何かが風を切ってふり上げられた音がした。


次の瞬間、ブチブチと肉が千切れるような不快な音が耳に届いて来た。


少女の視界がブレ、空が見えて、地面が見えて、民家の塀が見えて、目に映る世界がせわしなく変化した。


少女は何が起きたのか気が付かない。


すでに自分の首から上が切断され、歩道に転がった事を、まだ知らない。