最初、壱夜くんと紅月くんは、あまり乗り気じゃなかったけれど、神楽くんが粘り強く誘ったこともあって、4人で出掛ける運びとなったのだ。


「今日、暖かいね」


「そうだな」


「まさに、行楽日和だねっ!」


「かなり浮かれてるだろ、お前」


「だって、久々の遊園地だもん!せっかくだから楽しまなくちゃ」


声を弾ませる私に、壱夜くんは呆れ気味に笑う。


出会った当初だったら、“ウザい”とか“鬱陶しい”って言って不機嫌そうな顔したよね、多分。


紅月くん絡みの一件の後から、一段と雰囲気が柔らかくなった気がする。


表情も、声も。


なんだか、こうして二人で会話してると…


まるで、壱夜くんと付き合ってるかのように錯覚しちゃうぐらいだ。


もし、本当に両想いになれたら…


休日にデートとか、憧れるなぁ…。


壱夜くんと一日中、二人きりで居られるなんて、嬉しくてたまらないよ…。