ケータイ小説 野いちご

チョコレート戦線

SHRも終わり、友人達と下駄箱へと向かう。

教室の外に彼女の姿はない。

貰えないか・・・

自然とため息がもれる。

「なんだよ、史郎。ため息なんかついて。チョコ一つも貰えなかったのか?」

そう声をかけてきた友人に

「いや、義理なら2つ貰ったけどさ・・・」

そう濁しつつ答えると

「お前、お目当ての彼女から貰えなくて凹んでんだろ?可愛いやつ!」

そう言ってくっついてくる友人に

「しょうがねぇだろ!少しの期待から凹むくらい大目に見ろよ!」

不貞腐れつつ、答えながら着いた下駄箱に彼女の背中を見つけた。

俺たちの声に振り返った彼女の手には、彼女の友人達に渡していたビニールの包装とは違う小さな紙バックが握られていた。

「奥山くん!」

そう、呼ばれて一気に俺の心拍数は上がった。

「木村さん・・・、どうかした?」

うわずらない様に心掛けながら、疑問系で返すと

「あの・・・、コレ!貰ってください!」

そう言って、彼女の手に握られていた紙バックが俺の胸に押し付けられた。

落さないように慌てて掴みながら

「え?!これ俺に?!」

驚きの声を上げると

「うん。それじゃあ、さよなら」

そうニコッと笑って言ったあと、駆け出して行ってしまった彼女。


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