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幕末にタイムスリップさせられました!?参〜新選組と殺し屋の僕〜

「…………全く。土方さんは油断なりませんね。一体いつから気づいてたんですか。」


誠は目を開いてため息をつくと、総司の腕の中から俺の前へと移動した。

誠の狸寝入りに気づいていなかった他の奴らは、皆目を点にしている。


「山南さんと伊東さんが話し始めた頃からだよ。粗方お前もその頃に目が覚めたんだろ。」


「……さすが新選組の鬼副長様。ここまで来ると、弁解の仕様もなくなりますよ。」


誠の奴、いつものムカつく口調で笑顔を見せてはいるが、隠せないほどに目の下が赤くなってるな。

もし、誠が傷心状態に陥っているとしたら、奴を見分けるのは難しそうか。


「はっ。何を言うかと思えば。このぐらいのことならお前も見分けられるだろうが。」


「そんなことないですよ。僕は、仲間一人守れないただの無能ですから。」


……あの演技上手な誠が、笑みを浮かべてはいるが悲しい瞳をしているのを隠せていない。

詳しいことは知らんが、今回の出来事には相当参っているようだな。


「……誠、言葉遊びはここまでだ。巡察の報告を頼む。」


俺が巡察の報告をするように言うと、誠の肩が僅かだが動いた。



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