「マイナスなこと言っちゃダメ。約束守れる?」


「急にそんなこと言われても…」


「わかったって、ちゃんと返事してくれないと…今度は…」



「わっ、ちょ、、柊くんっ」


再度、オールを漕ぐ手を止めて、静音の小さな白い手を捕まえる。


「間接的じゃないキス、しちゃうかも」


彼女の体を引き寄せて、意地悪っぽく耳元でそう吐くと、


静音の耳がだんだん赤くなっていく。


あぁ、好きだな。


この反応。


意地悪し過ぎかなって思うけど、静音が可愛いのが悪いと思う。



「っ、わかった。柊くんの前で暗いこと言わないようにする…だから…その…」


顔を隠しながら話す彼女の顔をわざと覗くようにして、自分の顔を近づける。



「フフッ、いい子」


そう言って、静音の頭にポンっと手を置く。


「っ、、いい子じゃないです」


顔を真っ赤にしてから目線をそらす静音。


かわいい。


絶対嫌われたくないのに、慣れない彼女の反応が見たいあまりに、行き過ぎた発言や行動をしてしまう。


『好きだよ、女の子として』



俺にそう言われたら、静音は困るかな。