「もしよかったら俺のグループに入ってくれない?」


今、起こってることは現実なのか…。


目の前には首を傾けながら遠慮がちにそういう柊くんがいた。


その横には、柊くんとよくいる男の子、土田 想太くんが立っている。


なにこれ…。


クラスの大半がこちらに注目してる。


いや私が1番分かってます!
おかしいよ!!


なんで人気者の柊くんのグループに私が入るわけ?!


「お〜ラッキーじゃん!よろしく〜!」


鈴香ちゃんは軽く手を上げて2人にそう言った。


いやいやいや!
ラッキーじゃなくて!
よろしくじゃなくて!


見てよ!ほかの女子たちの視線を!


コソコソこっちを見て話してる。
絶対悪口言われてるよ。


なんであのヤンキーと、とか。
なんであの地味女と、とか。


「緒方さん」


っ?!


みんなの目線が怖くて、席で俯いていると、突然私の前でしゃがみ込んだ柊くんが目線にパっと映った。


「柊くん…」


「すっげ〜楽しみだね」



柊くんは、びっくりするくらいあったかい笑顔でそう言ってくれた。