「え、何。静音もう誰とやるか決まってんの?」
「いや…そうじゃないですけど…」
あぁ、ここで断ったら絶対キレられるか、傷つけちゃうかの両方だよ。
高城さん、なぜか私の隣にくっついて離れないし…。
「高城さんは…私なんかでいいの?」
周りがざわざわとどんとグループ決めをして行くなか、私はただじっと自分の席に座ったまま高城さんに問う。
「はぁ〜?だ〜か〜ら!鈴香でいいって言ってんじゃん!何そんな浮かない顔してんだよ!私は静音とボートに乗ってアヒルにエサやりたい!それだけ!静音は?」
「…っ、、」
見た目だけで、周りが彼女を見たときの反応だけで。
関わらない方がいい危ない人なんじゃないかって思った。
でも…。
今、まっすぐはっきりと私といたいと言ってくれたことに、
なんだか今まで味わったことない嬉しさがこみ上げてきて、
彼女は私が思ってるより、みんなが思ってるより、悪い人じゃない気がして。
「うん。よ、よろしく…鈴香ちゃん」
私は、目の前の金髪少女にそう言った。