『突入するよ。』


「援護は任せとけな。」


『頼もしいね』




舞蝶と大きく違うのは僕たちの口調。
繕わず、ただ素でいる。

クスッと笑ってインカムのスイッチを切る。
それに気がついた翼が声をかけてくる。





「おい、それ切ったら……」


『これ以上、凜音さんたちに迷惑かけたくないんだよね。』


「……だからって。」


『僕はね。
黒羽でもなく、血桜でもなく、汐の兄として助けに行きたい。』





パラパラと雨が降り出している。
服が張り付いてくるけど、そんなのどうでもいい。





『凜音さんたちには我が儘いっぱい聞いてもらったからね。

これ以上の迷惑はかけちゃだめだもん。』





インカムを踏みつぶす。
電源を切ってるから向こうには害はないだろう。

すると‥‥‥‥‥‥

インカムのスイッチを切らずに踏みつぶした。
これは向こうにものすごい被害が出たんじゃ‥‥

耳が終わるほどの爆音が聞こえたはず‥‥