すると不意に
寂しそうな顔をしたなよ子。


「昨日……検索ちゃんにも
謝ったんだけど」


下を向くなよ子。


「許してくれなかったみたい」



唇をかみしめて泣きそうなのを
我慢しているなよ子。


お母さんは優しく
なよ子の肩に手を置いた。


「大丈夫よなよ子。
検索ちゃんは分かってくれる。


だって検索ちゃんはなよ子の
本当の姿を知っているはず」



キッチンから出たお母さんは
タンスの中から封筒を取り出して


なよ子に渡した。


何だろうと思ってなよ子が
封筒を開けると


中には2万円が入っていた。


「そのお金で
検索ちゃんのギターを直してあげて」



微笑みながら
お母さんはそう言った。


「ありがとう!」


大声で叫ぶなよ子。


でもなよ子はなぜか
お金の入った封筒を


お母さんに返した。


「でも大丈夫よお母さん」


そう言って邪悪な笑いを浮かべるなよ子。
不思議そうな顔のお母さん。

「弁償代は払うべき人に
払わせるから」