ケータイ小説 野いちご

最低な元カレ専務の10年愛

「ほんとですか!?なんで急に…」

「なんででしょうねえ」

ははっと乾いた笑みを浮かべながらデスク周りを整理する。

まさか専務が元カレだとは口が裂けても言えない。


私が作る引き継ぎ書なんて、ほんの3ページ程度だった。

他の誰かでも内容を把握している仕事ばかりだ。

私がいてもいなくても…インフルエンザで1週間休んだ時も、何の問題もなく仕事は進んでいた。

だから引き継ぎ書なんていらないくらいかもしれない。

「まあ、大事件ではないのであのまま印刷かけちゃってください。
すみませんがよろしくお願いします」

私の中ではそうとうな大事件だけど。

多分園田さんや高坂さんもそう思っているだろうけど。

同じ課の人たちにだけ挨拶を済ませ、総務部のフロアを去った。


不満だらけだけど、私は明日から12階、秘書課に異動する。

『専務秘書』という肩書きで。



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