教室へ向かって歩きながら、
わたしは鈴原くんへの声の掛け方を
思案していた。

(…昨日は、
謝っていたのに逃げてしまって
悪いことをしちゃったし…
ごめんなさいってちゃんと言わなきゃ…。
でも、こわいな……。
いやいやだめ!!
ちゃんと謝って、もうわたしには
関わらないでって言うんだから!)


教室の前で深呼吸。
よし!!


いけ!
七瀬 ゆうの!!!

勇気を奮い立たせて教室のドアを開けた。
わたしは
真っ直ぐ自分の席の隣の席に座っている
鈴原くんに声をかけた。


「す、鈴原くん、話があります!」
と。


目は見れなかったけど、
言えたことがすごい!と
わたしは自分を褒めてあげたい。