でも、隠し事はいつかバレるもの。
見つけてしまった、舞花との写真を。



「ねぇ…聞かせて?
あたしは何を聞いても嫌いにならないから」



そっと俺に微笑みを向けて言った。

まるで、俺の心の中を見透かして不安を溶かすかのように。


萩花のくせに…生意気…だけど
萩花だからこそ、愛おしいと思うんだ。



「俺は小さい頃……」



萩花と目は合わせずに俺は重い口を開いた。







ごく平凡でよくある家庭に生まれた俺。


だけど、それは小一までで小二に上がる頃には家系は火の車で、両親は毎日夜遅くまで働いていた。


もちろん、寂しかった。

だけど、家に長居することができない理由も全部分かっていたから何も言わなかった。


親父が借金を作ってしまい、それを返金するために両親は汗水垂らして働いていた。


俺に構う余裕なんて無いほど仕事ばっかりしていた。