「で、でも、アーディには仕事があるでしょう?」

「うん。だからずっとはできないかもしれないけれど、でもできる範囲内のことなら何でも手伝うよ」


あまりにも人のいいアーディの言葉にリルは疑問に思った。だからつい「どうして、そんなに親切にしてくれるの?」と問いかけてしまったのだ。


「きみは助言をくれたからね。そのお礼もしたいんだよ」


アーディはにっこり太陽が微笑むように笑って言った。


「それに僕と同じように地方からやってきた同い年くらいの人と知り合うことが今まであまりなかったから」


そしてリルに手を差し出す。


「これもきっと何かの縁だ。僕ら友達にならない?」


その手を掴んでリルは微笑んだ。


「ええ、よろしく、アーディ」

「こちらこそ、ええっと…リル」


ひとりぼっちだと思っていた王都で友達ができたリルは心がじんわり温かくなっていくのを感じていた。