「へえ。意外と綺麗にしてんだな。」


「意外とってどういう意味ですか水野くん。」


「そのまんまの意味だよ。」



さっきの一人暮らしだって知ったときの顔といい、今の発言といい……。


わたしってそんなにできないイメージ?

もう失礼を通り越してすがすがしいよね。



「机こっちにあるから好きなところに座っていいよ。」


「…さんきゅ。」



あれ。なんかあっさり。

朝とかはあんなに緊張してたのに、さっきの失礼な発言で緊張なんか吹っ飛んじゃった。


もしかして、水野くんがそうしてくれたのかな…。

そうだとしたらちょっと嬉しい。



「水野くんお待たせ。」


「……。」


「水野くん?」



机の付近に水野くんがいない。