ひょこっと顔をのぞかせてきた零から距離を取るのも億劫で、ボーッと零の顔を見つめる。

『……零』


『うちの総長様はお怒りみたいですねー』


同じくどこか不機嫌な類の声に、チロッと舌を出して私から離れた零を見て、声のした方を振り返った。


『類、眠い』


四時集合にした割には人もまばらだし?
まだまだバスも出る気配がないし、少し寝てもいいよね?


そう思って類に眠いことを告げると、近くの椅子に座った類が、自分の膝を叩いて私を見上げる。


『……こい』


……はい?

ちょっと、お兄さん?
今ので少し、いや、だいぶ目が覚めたんですが?


『わぁお。類、大胆!』

『いつもと逆…って感じだね』


ニコニコと笑いながら類に向かってそう言った陽と、うん、いつも通り落ち着いている夏。

この2人はまだいいとして。

残りの2人の反応ね?
私より酷い気がする。


将なんて見てないし、零も、顔真っ赤にしてアタフタとそこら辺を行ったり来たりしている。


『……類、本気で言ってるの?』


『……眠いんだろ?』



どうやら本気らしいことは声のトーンの表情で分かった。