「慶さんはもう十分綺麗だよ」



なんか、怒っていたことなんてどうでもよくなった。

不思議だ…この景色を見ていたら嫌な気持ちもスーッと不思議なくらい消えていく。



「…そんなこと言うのはお前くらいだ」


「そんなことないよ。だって、慶さん…っ」



『慶さんは優しい人だから』そう言おうと思ったのに慶さんがあたしを抱きしめたから言葉を止めた。


首元がひんやりとして何かがつけられた気がした。

不思議に思って首元に触れるとそこには……



「なんで…」



さっき買ったペアネックレスがつけられていた。
光の反射でキラキラとストーンが光っている。

だって、これは他の人のじゃ…



「なに勘違いしてんのかしんねーけど
それは最初からお前にやるつもりだった」



ウソ…

じゃあ、ずっとあたしは自分に嫉妬してたの!?


は、恥ずかしい…ありえない。
自分に嫉妬してたなんて…!



「つーか、お前以外に誰にやるんだよ」


「だって…」


「お前、俺の女っていう自覚ある?」



じりじり近づいてくる慶さん。
ち、近いんですけど…!!