今、誰のこと考えているの?
元カノのこと?
どんどん自分が嫌な女になっていく。
「かしこまりました。
では、お包みいたします。レジまでおこしください」
言われるがままにレジまで向かってお会計を済まし、綺麗にラッピングされたペアネックレスを受け取りお店からでた。
「…どうして一番人気のやつを買わなかったの?」
なんとなく、聞きたかった。
慶さんだったらあたしなんかに聞かずに一番人気なものを選びそうなのに。
「そんなん…他の奴らと被ったら
ペアネックレスの意味ねーじゃん」
「まあ、それはそうだけど…」
でも、今買ったのだって他にも買っている人はいる…なんて言い始めたらキリがないからやめた。
「だろ」
なんか気まずい。
たぶん、あたしが重い気持ちでいるからだ。
「もう帰ろう」
あたしの様子がおかしいことに気がついたのか
そう言って駐輪場まで向かった。
こんなの最悪だ。
せっかく慶さんから
誘ってくれたデートだったのに。
でも、慶さんが他の人に
プレゼントなんて買うからいけないんじゃん。