――“……限界”


そういったアイツはドスッとあたしに寄りかかってきた。


道端で押し倒してくるほどに

血迷ってしまったのかと焦ったそのとき


「失礼」


パンツスーツ姿の、スラリと背の高い女性が現れて隣からアイツを支えた。


かなり重みを感じていたので助かった。


でも……誰……?


「愛」

「……玉城(たまき)」

「帰るわよ」


そういうと、いつの間にか傍らに停められていた黒い車に闇雲愛を乗せた。


誘拐ではないよね?


アイツ、あの人の名前呼んでたし

顔見知りみたいだった……。