「へ……!?」



ここは、俺とアリサの家をつなぐ、アスファルトの上で。



本当に……



「でもお父さんのプロポーズの方がもっとスマートでカッコよかったよ」


「まあ、修一と比べるのはまだ早いべ。良一にしては頑張ったほうだぁ」



あっはっはっは! と俺の母と祖母が玄関ドアを開けていて。



「良一くん。さすがにくっつきすぎじゃないのか? まだそこまで許したつもりはないぞ」


「いいじゃない。熱帯夜にふさわしいステキなハグね~」



アリサの両親も、ちょうど帰ってきたところらしくて。



「…………!?!?」



完っ全に、俺は全身全霊でフリーズしてしまった。



対するアリサは、不機嫌そうな目線を向けてきた。



げ、やっぱ俺のしょーもない告白に怒ってる?


と更にビビったが。



「やっっっと言ってくれたね。どんだけ待ってたと思ってんの」


「え、や、その」


「そうやって時々本音ぶつけてくるとこ、本当ずるい」


「あ、え、そう?」



それから、俺の腕をぐっと引っ張ってきて。



「あたしも、大好きだよ」



ちゅっ、とやわらかい唇を押し付けてきた。


さすがに口じゃなくて頬だったけど。



キャー、パチパチパチ、と楽しそうな声と拍手(+アリサ父の鋭い目)が向けられている中。


猛スピードで体全体が熱くなっていく俺。




――なんだこれは、なんなんだこれはーー!!!!!