聖夜と一緒にいることは楽しいと思えるけど、付き合うとなると問題は別。


束縛とか、嫉妬とか、醜い感情が生まれてしまう。



泣いたり、怒ったり、もうそんな思いをしたくない。



自分に自信が持てなくて、恋愛に興味もなくなり、とにかくめんどうなのだ。



仮に聖夜と付き合ったとしても、年令差を気にしながら、聖夜の両親の年令も意識してしまう。


30才の私は聖夜の両親の年令に近いかもしれないとか、考えただけで頭が痛くなる。



「聖夜の両親の年令は?」



「父親は46才で、母親は10代で一番上の兄さんを生んだから、多分41才かな。」



お母さんが41才って事は、私より11才上。



聖夜と私の年の差より、聖夜の母親と私の年令が近いなんて、あり得ない。


全てが無理としか思えない。


最初から分かっていたことなのに。


なんで、落ち込んでるのだろ。


バカ、バカしい。


無駄な思いを捨てなきゃ。



聖夜は私が好きだと言ったが、その気持ちも本物か、定かではない。



私を恋愛対象として見れるのか。



誰かとかけをして、私を落とそうとしてるかもしれない。


あらゆる想像をしてみたり……



「美利、シーツはずしたか。」



「まだ。」



結局部屋の掃除も、洗濯も聖夜が全てやってくれた。



「聖夜ってすごい。何でもできるんだね。」



「俺がいた方がいいとおもわないか。掃除、洗濯、炊事までしてくれる男は中々いないぞ。」



はい、素直にそう思います。



「聖夜は何でもこなす男でイケメンだもの。私に拘らなくても、若いこの方がいいと思うよ。」


そんな怒った顔しないでよ。


本当の事を言ったまでです。



年令なんて関係ないと思えるのも今だけ。


何年か先には、絶対若い子が良くなるに決まってる。


冒険出きるのは、多分聖夜が若いからで、年を重ねて行けば考えた方も変わって行く。


それが当たり前だと思う。


だから、しっかり現実を見なきゃ駄目でしょ。


私の未来に聖夜はいない。


聖夜と一緒にいる未来を想像出来なかった。