【✧*碧side✧*】


「……………」


「オイ碧っ!!!何してんだよ!!
急がないと購買のパンなくなっちゃうだろ!?!?」

「…………」

「聞いてんのかよ碧〜!!!」

ドカッ


「…いった」

「相変わらずクールな碧ちゃんでちゅね〜〜〜♡ それにしてもぼーっとしすぎだぞ碧。
恋でもしたんか?お??」


「ニヤニヤしながら聞いてくるな気持ち悪い」


この気持ち悪いヤツは高校になってから知り合った 池田 龍矢 (いけだ りゅうや)
根は良い奴だが こんな感じでしつこい。

「で、碧ちゃん。相談になら乗りまちゅよ???♡」


「はぁ〜〜、乗らなくていいし まずその ちゃん付けやめろ ちゃん付け!!!!」

「キャー、怖〜い碧くん怖いよ〜」

そう言いながらも購買についていく俺、優しすぎか。
まぁ俺と龍矢は高1からの付き合いで 2年生になった今でも同じクラスになった。
しかも席は前後。


__そんなことより朝の子、気になるな…。
見たことないから多分他学年だろう。
背が高かったから3年生?いや、でも見た ことないな…


「…いっ!碧!!!!!お前ほんとぼーっとしすぎ。紗綾ちゃん、こっち来てる。」


「碧〜!」
ふわふわの髪をなびかせて 嬉しそうに手を振ってくる彼女は 武田 紗綾 (たけだ さあや)。
俺と龍矢が所属しているバスケットボール部のマネージャー。

「あ、龍矢も!丁度よかった今日の部活のことなんだけどね……」

長々と続く紗綾の話を適当に聞いていた。

その時、
「あっ。」

「って聞いてる!?碧??」

俺は思わず声が出てしまった。
そう、朝バッチリ目が合ったあの子に。