「あらら、それは大変だ。あ、でも小波くんがいるからいいじゃん」


「知らない…あんな薄情者知らないっ……!」


知紘ってば、わたしが雷苦手なこと知ってるくせにクラスの男子に誘われて遊びに行っちゃったんだもん……っ。


頼りにできるの知紘しかいないのに。


「あー、でもさっきのあれは無理やり連れて行かれてた感じじゃん?」


「むぅ…知らない知らない!!」


確かに断ろうとしてたみたいだけど、流されてそのまま連れて行かれちゃってるし。


「そんな可愛くないこと言ってたらそばにいてくれないよ?」


「いいもん……!知紘がいなくても平気だもん」


「まーた、強がっちゃって」


「雨が降り出さないうちに帰るね!」


こうしてる間にも天気はどんどん悪くなってきている。


華と別れてダッシュで家まで帰った。走ればほんの数分。


階段を急いで駆け上がって部屋の扉をバタンっと締めた。


これでとりあえず一安心。