「それ、洗濯するから貸して!」

「……やだ」


一向に抱き枕から離れようとしない。くそっ、しぶといな。


「知紘……って、うわっ!!」


抱き枕の取り合いをしていたら、急に腕を掴まれて、そのまま知紘の胸にダイブ。

普段ひょろっとしてるくせに、こういう時ふと男っぽくなって、掴む腕から力の強さが伝わってくる。



「じゃあ美依が抱き枕になって」

「は、はぁ!?何言ってんの離して!」


ギュッと抱きしめて離そうとしない。


「美依って、いい匂いするよね」

そう言いながら、わたしの首筋に顔を埋める。息がかかってくすぐったい。


「この甘い匂いって危険……」

「危険って何が?」


すると、クスッと笑いながら、スッとわたしの耳元で


「……襲いたくなるってこと」


甘い声で囁いた。