ケータイ小説 野いちご

【完】溺れるほど、愛しくて。




「…出ていけっていうのは嘘だから」



それだけ言うと泣いている萩花を放っておいて自分の部屋に逃げ込んだ。



「だっせぇな…俺」



かっこわりぃ……何泣かせてんだよ。
もっと寂しくさせてどーすんだよ。


でも、萩花の気持ちに応えることなんてできなかった。


ガキだからとかじゃなくて俺と付き合ったら萩花を傷つけることになってたくさん泣かせちまうから。


アイツにはもっとふさわしいやつがいる。
だから、俺は…萩花のことは忘れる。



「……忘れる…なんてできんのかよ」



分かんねぇ。
自分でもビックリするくらい萩花がほしい。


そばにいてほしい。
ちっこい体を包み込みてぇ。


あー、もうなんなんだよ。


あんなやつどっか行っちまえばいいって思うのに

どこにも行かせたくねぇって思ってる俺は矛盾だらけ。


あの家には帰したくなかった。


だって、あの家に帰ればまた萩花は寂しさでたまらなくなるだろーし。


バラされてもいいから、アイツを救ってやりたかった。


出来ることなら自由を教えてやりてぇよ。


俺がいつでもお前のそばにいてやりたい。
こんなに惚れさせんじゃねーよ、バーカ。




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