「フフっ、相馬の言う通り、本当、貴方は人が悪いわ」


「それは、誉め言葉?」


「そんなわけないでしょう」


二人きりの部屋のなか、僕たちは笑いあった。


「貫けるわ、あの二人なら」


「ククッ、僕もそう思うよ」


最期まで。


それは、結婚するときに誓ったこと。


“永遠に貫くよ”


……それは、子供たちに伝染して。


「うまくいくと良いんやけどなぁ……」


人は、学ぶ。

人の失敗から。


そして、その失敗から生まれたものは、もの次第では人の心に永遠に輝くものとなる。


「―愛しとるよ、ユイラ」


「?……どうしたの?急に」


「なんか、伝えとうなったんや」


「そうね。あの二人を見ていたら、そういう気持ちになるわね。―私も、愛してるわ」


死ぬまで貫くことができれば、


それは永遠の愛に、


真実の愛となる。


二人の作り出す愛を見てみたいものだと、僕は思い、笑った。