校門まで走る2人。

「遅いの、遅刻寸前。もっと走って」

校門前で生徒達に朝の挨拶をしていたすずが、最後の登校者である龍一郎と蒲公英に声をかける。

「悪ィ悪ィすず先生」

「すず先生、おはよーございまーす」

挨拶と共に校門を潜ろうとしていた2人は。

「!」

学園の塀に沿って、横付けされる黒い高級車に気付いた。

後部座席はスモークガラス。

中の様子は見えない。

「何だ…?」

「学園のお客さんかな…?」

龍一郎と蒲公英は、しげしげと眺める。