「具合が悪いのなら病院に行かんか」

腕組みして、額に青筋浮かべる瑠璃。

「まぁ待つアル瑠璃」

瑠璃の妻にして天神学園生活指導、人呼んで『究極超人』夕城 鬼龍(ゆうしろ カイラン)が夫を宥める。

「すず、どう痛いアルか?老師(ラオシー)秘伝の漢方が役に立つかもしれないアル」

問い掛ける鬼龍に対し。

「……」

すずは胸に手を当てた。

「今朝方、龍一郎とルナのキスを見てから、何だか胸がモヤモヤするの…」

「それは恋煩いじゃないん?すずっち」

息子の名前が出たからにゃあ、黙っていられない。

龍乃が口を挟んだ。

「…別に龍一郎に恋愛感情なんてないの。歳下だし、これまで異性を感じた事なんてこれっぽっちもない筈なの。でも…」

すずは首を傾げる。

「何だか…龍一郎とルナが仲良くしているのは、何かが違う気がするの…」