「兄ちゃん何独り言言ってんの?早く朝ご飯食べちゃってよ~」

蒲公英の声が聞こえる。

『ここは取り敢えず、高校生としての貴様を演じておくべきだろうな。貴様がタイムスリップしたと主張した所で、ただの変人扱いされるだけだろう…まぁ変人だがな、貴様は』

「うるせっ」

だが、確かに禿鷲の言う通りだろう。

学園に行けば、ティーダやルナ、すず、それにヴラド学園長といった、奇妙な現象にも詳しい者達がいる。

折を見て状況を説明し、彼らの力を借りるのが得策だろう。

それまでは、高校生・橘 龍一郎として生活するしかあるまい。

「やれやれ…やっと学校通いが終わったと思ったのによぉ…」

ゲンナリした表情で、龍一郎は顔を洗った。