心の底から信じてた奴ら。
紅嵐(くらん)という暴走族の総長もしていたくらい喧嘩は強いほうだ。
そのせいで、あんなことになるなんて思ってもなかったけどな。
……俺は終わった人間だ。
人間として終わってんだよ。
誰からも必要とされない。
必要とされるのはこの憎いくらいの整った顔だけ。
誰も俺の中身をみようとはしない。
だから、俺も中身を見ずに外見だけで女を選ぶ。
そして時期がきたら振る。
ずっとそれの繰り返し。
そんなときに出会ったのがコイツ。
こんなガキはいつもならぜってぇ放っておいてるけどそれができなかったのは…
まだ俺に恋心とかいう訳わかんねぇもんがあるからだ。
別にコイツのことが好きなわけじゃない。
ただ、俺だって本気の恋くらいしたことある。
はぁ…マジで俺はなにやってんの。
しかもよりにもよって葛城財閥の娘かよ…
まあ、コイツも俺の外見にしか興味ねぇんだろうな。
でも…少しだけ期待している自分もいることに驚く。
コイツなら…俺を見てくれるかもしれねぇって。
だけど、萩花は俺とは違って綺麗すぎる。
まるでアイツみたいに…。
真っ直ぐでピュアだということが短時間一緒にいただけでも分かるくらい。