『良ちゃん』


『なに?』


『ぎゅっとしてほしいな……』


『へ?』



胸をしめつけてくるいい香り、


体がこそばゆくなるくらいにうわずった声、


俺の服をつかんでくる華奢な指。



『キス、してほしいなぁ』



そして、俺を甘~い世界へと誘ってくるかのような上目遣い。



やめろ、やめてくれ……!



『だめ?』


『…………』



ぐぅ……そんな顔で見つめるなぁぁ!



と思いつつも、俺の手はつややかな髪の毛をなでていた。


彼女は気持ちよさそうに目を細めて、嬉しそうな顔になる。



どくんと深く鼓動が鳴り、俺はぐっと彼女を引き寄せていた。



『良ちゃん、大好き』



全てを俺にゆだねるかのごとく、彼女はふわりと目を閉じた。



白い頬に指をすべらせると、


視線は自然とピンク色の唇へ……