「うん。いろんな種類のお花があったんだけどね、名前の分からないお花もたくさんあったの。」


「そうか。じゃあ愛咲の誕生日プレゼントには植物図鑑をプレゼントしようかな?」


「ほんとに!?やったー!!」


愛咲の誕生日は五月末。一か月もすれば愛咲の誕生日がやってくる。それまでに退院できることが一番だが、まだ少し治療は長引きそうで、誕生日は病院で迎えることになりそうだ。


「先生約束ね?」


「あぁ。ゆびきりげんまん嘘ついたら針千本のーます、ゆびきった!」


愛咲と指切りし約束を交わす。なんて幸せな時間だろうと、久しぶりの穏やかな時間に幸福を感じた。