「は?」


「1ヶ月経って、やっぱり駄目ならそのときは解約してくれていいし、」


小林くんは私の勢いに飲まれて何も言えない。


「もしまだ付き合ってもいいかなって思えたら、1ヶ月後に更新してくれればいいから」


どうやったら取り敢えずでも付き合う気になってくれるか、一週間寝る間も惜しんで考えた苦肉の策。


神様、仏様、小林ケンタ様。
お願いだから、うんと言って下さい。
そう願いながら、ぎゅっと目をつぶったとき。


「───解約とか更新って…。
お前はスマホかよ」


ぶはっ。
目の前の小林くんが、とうとう堪えきれずに吹き出した。


「…仕方ねーな。
そんなに言うなら、試しに付き合ってみるか」


私が恐る恐る目を開くと。
小林くんは私の大好きな笑顔で、私の髪をくしゃっと撫でた。