部屋に戻り、帰り支度を始めた。




何となくみんな元気がなくて、私は歌い出す。




「お~♪シャンゼリゼー♪」




「お~♪シャンゼリゼー♪」




「いつも~何か~ステキな~ことがぁ~♪」




「「「あなたを待つよ~シャンゼリゼ~♪」」」







明るい歌なのに・・・


歌いながら涙がこぼれた。





おみやげを詰め込んだスーツケースに涙がポタポタと落ちていく。





「怜・・・怜!!!」



理由なんて聞かなくてもわかる。



2人は、私の肩を抱いてくれた。






いつも


何か


素敵な


ことが・・・



あなたを

待つよ


シャンゼリゼ・・・






本当に待ってた。



想像以上の素敵なことが・・・







アラン・・・



アラン・・・




もう会えないなんて嫌だぁ・・・





「うぅ・・・さみしいよぉ。やっぱりさよならなんていやだよぉ・・・」




我慢していた涙はどんどん流れて、


目がはれるくらい泣いた。