そのまま、玄関に二人で倒れ込んだ。


玄関で押し倒され、その上に聖夜がいた。



一旦離れた唇が又塞がれた。



もうやめて。



上手く息が出来ない。



このキスの意味はなんなのよ。



その時聖夜の携帯が鳴った。


中々キスを止めようとしない、聖夜。



「聖夜、お兄さんから電話だよ。」


私を起こし、左手で私を抱き締めたまま携帯に出た。



「分かった今行く。兄貴が迎えに来たからいくわ。明日迎えに来るから、あっ、これ朝のパンとコーヒー。パンがぺちゃんこになっちゃったな。」



返事も出来ずにただただ、ぼーとしてしまった。



「美莉、今日の続きは明日な!おやすみ。」



チュッって軽くキスをして、聖夜が去って行こうとするけど、腰抜けて上手く立てない。



「仕方ないな。」



聖夜に抱き上げらべットまで運ばれた。



「今日はこのまま寝ろ。俺が鍵かけて帰るから。」



私は黙って頷いた。



体中の力が抜け、聖夜のキスの意味も分からないまま眠ってしまった。



夢の中にまで聖夜が出てきて、まるで恋人同士みたいに、キスしたり抱き合ったり、これが夢なのか現実なのか分からないまま…………



聖夜の気持ちが分からない。



私がすきなの。



12才も年上の彼女はあり得るのだろうか。



だけど、考えたくなかった。



考えるのが怖い。


恋愛に臆病な私は、どうしても一歩が踏み出せなかった。