「ねえ光希くん」



「アンタ、しつこいですね」






3回目でやっと返事をしてくれた光希くんは、図書の整理をしている。




告白から1週間。


同じ図書委員会の私と光希くんは、丁度同じ日の当番になった。





「好きなタイプ教えて?」


「センパイ、口より手を動かしてください」


「え? 私がタイプ?」


「アンタ頭へーき?」





私は上段にある本に手を伸ばしながら

若干の馴れ馴れしさを嬉しく思ってにやついた。

重症かな?







「好きなタイプくらい教えてよ」



「しつこいですって」







その瞬間、脚立がぐらりと揺れ、




「……っ! バカッ」



着地点は、彼の腕の中だった。






「……ありがとう」



彼の顔を見ると、少し赤くなっている。


照れてる?




そう思ったすぐには、彼は真顔に戻り、眼鏡の位置を整えた。






「……好きなタイプは、バカじゃない人ですね。」




さっき、私にバカって言った後にそれ言う?







キミに好きになってもらう方法【その2】は、




彼の好きなタイプに近づくことだ。