「土方さん、すんません。追い返されました。」
うん、大丈夫だね。
襖越しでもなんとか声は聞こえる。
「『桝屋喜右衛門』はそんなに手練れだったのか?」
土方さんナイス!僕もそれが1番気になってた!
僕は気配に気づかれないように、心の中でガッツポーズをする。
「いや、その…………」
「土方さん、ここからは左之に変わって俺が話します。手練れだったのは『桝屋喜右衛門』ではなく、『桝屋喜右衛門』の側にいた女子です。年齢からしておそらく娘でしょう。」
「娘だと?」
「はい。その娘はとても気が強く、『私の家族が一体何をしたというのですか!証拠もなしにここの敷居を跨がないでください。不愉快です!』と、家の戸を閉めて、俺らが言い負かされました。」
へー、それは凄いね。
女性が新選組を言い負かすなんて。
しかも、その新選組は強面集団でしょう?
普通の女性ならきっと泣くか、腰を抜かすよね。
ケータイ小説 野いちご
幕末にタイムスリップさせられました!?弐〜新選組と殺し屋の僕〜
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